2018年2月14日、平昌五輪でスピードスケート女子1000メートルで小平奈緒選手が銀メダルに輝きました。
18日には500メートルでの金メダルが期待されます。
そんな小平奈緒選手の強さを生み出してきた、背骨を鍛えるトレーニング方法や自転車の練習について、またメガネのことや年齢とのかかわりについて今回は探っていきたいと思います。
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小平奈緒のこれまで
1986年5月に長野県茅野市で生まれる。現在31歳。身長:165cm 体重:61kg
中学、高校時代に全日本ジュニアで優勝し、大学は信州大学教育学部に進学する。
前列左が高校時代の小平選手 ↓
この時は教員になる夢が捨てきれなかったのと、あの清水宏保選手を育てた「結城匡啓監督」がいたため。
信州大学卒業後は「相澤病院・スポーツ障害予防治療センター」に籍を置き、活動をする。
2010年バンクーバー五輪で500m12位、1000m・1500mで5位入賞、女子団体パシュートで銀メダルを獲得する。
2014年ソチ五輪では500mで5位入賞、1000mでは13位。
ソチ五輪後は2年間オランダのプロチーム「Team continu」で活動し、そこで目覚しい実力を付ける。
現在500mワールドカップ15連勝、2017年12月10日に「1000m1分12秒09秒」の世界新記録を樹立する。
小平奈緒の背骨を鍛えるトレーニング方法は自転車?
背骨を鍛えるトレーニング方法
ソチ五輪終了後、小平奈緒選手はレベルをもっと上げるため、オランダに渡ります。
オランダのコーチは小平奈緒選手のフォームを強制するために「怒った猫になりなさい」と伝えました。
肩を上げて重心を低くしたフォームを「怒った猫」という言葉でイメージさせたのです。
2014年春から2年間、強国オランダに留学します。1シーズ目こそワールドカップ(W杯)500メートルで種目別総合優勝を果たしましたが、2シーズン目は国際大会で未勝利でした。
「外国勢と同じことをするだけでは勝てない、何かを加えないといけない。」と小平は気づいたのでした。
そして母国に戻った小平奈緒選手は新たなトレーニング方法に取り組みます。
国内に拠点を戻した昨季から留学先のオランダや米国発祥のエクササイズと、地元長野県で習う古武術を組み合わせ、自己流のトレーニングメニューをつくり上げました。
参考とするのは口コミやインターネットの情報ではなく、文献です。海外から専門書を時には取り寄せ、辞書を手に読み込むました。
地元長野市のトレーニング室で小平は四つんばいから片方の脚や腕を離し、上体を反らします。
踏み台に乗りながら軽重量のバーベルを持ち上げます。バランスの悪い姿勢のままボールをつかみ、投げます。
強化に取り入れた用具の極め付きは「一本刃のげた」です。両脚で立ち、スケートに近い前傾姿勢を保ちます。
意識は「ひとつひとつ細胞をつなげるように」。骨盤から手先まで神経を行き届かせる。
背骨一つ一つが順番に回旋するようにするゆったりとしたストレッチや、特注した一本刃下駄に重心をしっかり乗せるようにして、スケートのような体重移動をゆっくり行って感覚を確かめるトレーニングを繰り返しました。もちろん今でも続けているようです。
「ハア、ハア言わないし、汗もかかない。周りから見たら練習になっているのかと思われるかもしれませんが、精度や連動を大事にしているトレーニング」と結城匡啓コーチは言います。
かつては大柄な海外勢に勝つために食事で体を大きくし、重いバーベルを持って筋力をつけることに重点を置いてきましたが、それだけでは勝てないと悟り、上記のようなトレーニング方法に取り組みました。
その結果が驚異的な成績アップに繋がりました。
自転車
スケートリンクが閉鎖される3~7月、多くのスピードスケートの選手が自転車の練習に精を出すのは、おなじみの光景です。
長野県松本市の自転車競技場に夏の7月中旬頃、スピードスケート短距離のエース・小平奈緒選手の姿がありました。
サイクルウェアに身を包み、1周333メートル、最大36度の傾斜がついたバンクで、競輪用の自転車にさっそうとまたがります。
ただ、これまでの定番の練習だけではありません。小平奈緒選手が重要視するのは、時速60キロ以上で疾走するバンクでの練習です。これはスピードスケートと同じスピードを体感するためでもあります。
競輪の女子トップ選手がこぐような重いギアの自転車を使用します。普通の人なら、自転車を静止した状態からでも動かせないほどのレベルですが、体幹の使い方を確認しながら、ペダルを踏み込むます。
体幹はスピードスケートでも滑りの核を担います。小平奈緒選手は「自転車のトレーニングは体の軸をどう作っていくかという点で刺激になる」と効果を口にします。
自転車のタイム向上はスケートにもつながるようです。結城匡啓コーチ(52)によれば「500メートルと1000メートルのタイムは、自転車とスケートでほぼ同じ」だそうです。
昨年2月に高地リンクで小平奈緒選手が樹立した500メートルの日本記録は36秒75です。自転車とはいえ、ギア比で女子競輪選手以上の負荷をかけた中でそれを上回りました。
2010年の夏から自転車を指導する幸壬(こうじん)学氏(51)も「速すぎます。目標とするトレーニング効果が結果に出ている」と納得顔です。
過去にスピードスケートで冬季五輪を経験した「橋本聖子、関ナツエ、大菅小百合」が自転車で夏季五輪に出場しています。
競輪選手も指導する幸壬(こうじん)学氏は「小平奈緒選手が行っているのはスケートのためになる練習で、東京五輪となると、自転車特有の技術を習得しなければいけないので難しい。」
「ただ、競輪学校にはすぐに合格できます。」本気になれば不可能ではないようなことを語ったようです。
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メガネは年齢のせい?
メガネは
小平奈緒選手は近視なので、度付きを使用しています。視力は0,4だそうです。
スピードスケート選手はレース中ゴーグルをかけて滑りますが、ゴールした後に外す仕草にはグッとくるものがあり、もうゴールの時の定番の仕草になっていますよね。
小平奈緒さんの場合、アスリート契約を結ぶオークリーの度入りメガネを愛用しています。
これまでは白いフレームのメガネを着用していることが多くトレードマークとなっていますよね。
ところが、平昌五輪ではなぜか黄色とオレンジの左右色違いのメガネをされています。
長野五輪で清水宏保選手がかけていたのを見て、自分もと思ったようです。
黄色とオレンジの左右色違いのメガネを今回選んだのはどうやら「オークリー側」からの要望みたいです。
黄色は太陽を表し、オレンジは情熱を意味しているので、競技者にふさわしいと配色としてデザインされたのだそうです。
年齢は
年齢は1986年5月生まれですから、現在31歳です。
メガネは年齢からくるものではなくて、若い頃から視力はあまりないようです。
国立大学の信州大学教育学部に入学するには高校時代も受験勉強をしましたから、めがねが必要になってもなんら不思議ではありません。
参考記事 ↓
まとめ
- 背骨一つ一つが順番に回旋するようにするゆったりとしたストレッチや、特注した一本刃下駄に重心をしっかり乗せるようにして、スケートのような体重移動をゆっくり行って感覚を確かめるトレーニングを繰り返しました。
- 自転車のタイム向上はスケートにもつながるようです。結城匡啓コーチ(52)によれば「500メートルと1000メートルのタイムは、自転車とスケートでほぼ同じ」だそうです。
- メガネは視力が0,4と低く度付きのサングラスをしています。オークリーのものでアスリート契約を結んでいます。年齢とは関係ありません。
18日の500メートルの金メダルを期待します。
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