1970年代懐かしのドラマ「飛び出せ!青春」や料理番組「くいしん坊!万才」のリポーターで知られる俳優・村野武範(72)さんがステージ4のガンであったそうです。
過去形なのは今現在は転移や再発はないということからです。
ステージ4というのはかなり厳しい状況にあるということなのですが、村野武範さんは「陽子線治療」で治ったとのことです。
陽子線治療とは聞いたことはあるものの、もうひとつよくわかりません。
どういう治療なのか、いくら位かかるものなのか、詳しく見ていきたいと思います。
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村野武範って誰?
- 1945年4月19日(72歳)
- 1969年デビュー。
- 1972年『飛び出せ!青春』の熱血教師役で人気を不動のものにする
- 以後、多くの映画、テレビドラマ、バラエティ番組、CMに出演。
- 1988年1月から1990年12月にわたって料理番組『くいしん坊!万才』(フジテレビ)の七代目くいしん坊(レポーター)を務めた
村野武範、ガンに
村野武範さんは15年5月に首に小豆大のしこりを発見し、精密検査でステージ4のがんが発覚。中咽頭がんと診断され、3カ所に転移していたそうです。
ガンは転移、特に発生した場所から遠隔転移しているとステージ4と診断され、いわゆる末期ガンとなります。こうなるとガンの標準治療である手術はできません。また放射線治療も難しく、残る治療法は抗ガン剤ということになります。
よく聞く通り抗ガン剤はとても副作用が強く(個人差があります)、これによる寛解(ガンが消えること)は厳しいものがあります。
ところが村野武範さんは「治った」とのこと。
それが「陽子線治療」というものでした。
今2人に1人がガンにかかり、3人に1人がガンで亡くなるという時代です。末期ガンであったのに治った陽子線治療というのは聞いたことはあるのですが詳しくは知りません。
陽子線治療について
陽子線治療とは
粒子線治療と呼ばれる治療のひとつで、水素の原子核(陽子)を加速させ照射します。
ガンの標準治療である放射線治療との違いとしては、X線は体の表面でエネルギーを多く放出し、ガンがだんだんと弱まっていきますが、陽子線は体の奥深くで最も効果を発揮し、裏側へ貫通しない特徴があります。
正常な臓器を保護しつつ、がんを叩くことが可能なのが陽子線です。
標準治療である放射線は幹部にピンポイントにあてることが出来ないため身体に大きな負担をかけますが、陽子線治療では幹部にピンポイントで陽子をあてることが出来るため正常細胞まで傷つけることは少なく、患者の負担が軽いのです。
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どこで受けるの?
2017年7月現在、日本には粒子線がん治療施設が16ヵ所(重粒子線:5ヵ所、陽子線:12ヵ所)あり、ここで治療が受けられます。
○重粒子線 ●陽子線
● 北海道 北海道大学病院陽子線治療センター
● 北海道 札幌禎心会病院陽子線治療センター
● 福島県 南東北がん陽子線治療センター
○ 群馬県 群馬大学医学部附属病院 重粒子線医学研究センター
● 茨城県 筑波大学附属病院 陽子線医学利用研究センター
● 千葉県 国立がん研究センター東病院
○ 千葉県 量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所
○ 神奈川県 神奈川県立がんセンター 重粒子線治療施設
● 長野県 相澤病院 陽子線治療センター
● 静岡県 静岡県立静岡がんセンター
● 愛知県 名古屋陽子線治療センター
● 福井県 福井県立病院 陽子線がん治療センター
○ ● 兵庫県 兵庫県立粒子線医療センター
● 岡山県 岡山大学・津山中央病院共同運用 がん陽子線治療センター
○ 佐賀県 九州国際重粒子線がん治療センター
● 鹿児島県 メディポリス国際陽子線治療センター
どの病院でも陽子線治療をやっているわけではなく、こちらの病院から遠い人は隣接するホテルやウィークリーマンション、民宿からの通院が多いとのことです。
治療はどんなの?
陽子線治療は体に負担が少ないので、原則的に外来で治療を行います。
基本的に1日1回の照射を毎日行います。治療照射の期間は2~8週になります。がんの種類や部位、大きさ等で、治療期間が決まります。
一回の治療時間としては1~2分です。治療室に入室してから退室するまでの時間は約15~30分で、その多くは身体の位置をmm単位で調整するために使われます。
いくらかかるの?
陽子線治療は先進医療として行いますので、陽子線治療にかかる費用は個人負担となります。
原則腫瘍1個に付き288万3千円です。約300万円です!
民間の保険(先進特約)に加入されていると陽子線治療費用は保険金でカバーされます。
保険の先進特約て何?
とても効果がありそうな陽子線治療ですが、1回300万円とはとんでもないです。これをさっと払える人はどれだけいるのでしょうか。
保険の先進特約ならカバー出来るとはありがたいですが、それってどれのこと?
我が家の場合、ア○ラックで調べると医療保険の中の「総合先進医療特約」がこれにあたります。ガン保険の中の「先進医療一時金」は違います。同じような名前でややこしいですね。
保険にはたくさんの種類があって、またしょっちゅう新製品が出てるので同じア○ラックでも我が家の場合とは違うケースがあると思います。是非皆さんの家の保険をご確認下さいね。
この先進特約というのは医療保険の特約につけるものなのですが、保険料が月100円程度ととても安いのですね。なぜかと保険屋さんに以前お聞きしたところ、使う人がほとんどいない、とのことでした。
まず、受ける医療機関が少ないこと。以前は全国で4箇所ほどでした。全てのガンに適用されるわけではないこと。その割に受けるまでの待つ期間が長いこと。3年ほど前に聞いた時の答えでした。
しかし、受けれる医療機関も増え、適用されるガンも増え、「治った」芸能人のことをきくとものすごく気になりますね。
この先進特約は名前の通り、医療保険などの特約としてしかつけれなかったのですが、この9月から先進医療保険だけで入れる保険が出ましたね。月500円なので考えてみてもいいかもしれません。
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まとめ
- 俳優の村野武範さんはガンステージ4だったが陽子線治療でなおり、今は転移も再発もない
- 陽子線治療は患部にピンポイントで照射できるため、患者の負担が軽い。
- 陽子線治療のできる病院は全国16カ所。
- 治療そのものは1回1,2分の照射。
- 費用は腫瘍一つにつき、ざっと300万円。
- 保険の先進医療特約にはいっていればそれでまかなえる。
厄介なガンですがステージ4でも治ったと聞けば、それにすがりたくなるものです。
ただ、陽子線治療には賛否両論があって、当然のことながら必ずしも治るわけではなく、またこの治療を受けられるガンが多少なりとも限定されていることからがん患者150万人中陽子線治療は3000人ととても少ないです。
ただ、保険に特約の形だと100円程度の保険料なのでお守り代わりに入っていてもいいかもしれませんね。
ガンの治療法もどんどん変わってきます。三代治療と言われる標準治療(手術・放射線・抗がん剤)も数年後には違う形になっているかもしれませんね。
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