平昌オリンピック個人・ノルディック複合でノーマルヒルで銀メダルに輝き、ラージヒルでは金メダルの期待が大きかった渡部暁斗選手、ラージヒルの前半のジャンプでは首位に立っていただけに5位に終わってしまい、残念・意外・何故という気持ちになりました。
TVで見ていたときに、あの萩原健司さんが渡部暁斗選手のスキーのすべりが良くないというのを頻繁に言っていました。
スキー板のワックスが雪とうまく合わなかった、いわゆるワックスミスがあったのでしょうか?そしてワックスマンが誰だったのか気になりました。
また、競技終了後に渡部暁斗選手が肋骨骨折していたというニュースを見ました。肋骨骨折していて本当に競技できるの?
今回はその辺を探ってみます。
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渡部暁斗のラージヒル5位の成績はワックスマンのワックスミスが原因?
今季の渡部暁斗選手はW杯の開幕2戦目に優勝。五輪直前には4連勝もあり、6戦連続で表彰台にも立っています。
多くのマスコミの間では「金メダルの大本命」と言われていました。
ラージヒル前半のジャンプでは強風で有力選手が伸び悩んでいるなか、渡部暁斗選手は見事に首位に立ち、ノーマルヒル銀メダルに終わった雪辱を晴らすことができ、金メダルを獲得できるのではと期待されました。

引用元:http://www.sanspo.com/pyeongchang2018/news/2018021...
解説の萩原健司さんも90%の確立で金メダルと言っていました。

引用元:https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/p5876...
しかし、当の本人・渡部暁斗選手は後半のクロスカントリーが始まる前のインタビューでは「正直、厳しいですね」と答えた顔はさえませんでした。
その理由は4位から6位に並んだ3人のドイツ人選手がチーム一丸となって追いかけられるのではという厳しい予感があったためでした。

引用元:https://matomedane.jp/page/4346
それは日本女子アイススケート・パシュートが得意とする同じ戦法で攻めてくるというものです。
先頭の選手は風圧の影響で中距離以上の場合はかなり疲労がたまるのですが、先頭をかわるがわるすべることで2列目以降の選手は先頭の影で、風圧を受けることがかなり減らすことができ、体力を温存できることです。
ドイツの選手は見事にこの戦法で金・銀・銅を独占します。
渡部暁斗選手は最初からこのことが分かっていましたので、できるだけ追いつかれるまいと最初から飛ばしたのですが、思うようにスキー板が滑らず、ワックスミスがあったのは解説の萩原健司さんが指摘した通り、見ていて明らかでした。

引用元:https://matome.naver.jp/odai/2151917758077283101
結局、そのために体力の消耗が激しかったのか、最終回の大事なところでスキーが他の選手と接触して、転んでしまいました。
その時点で、もう体力は使い果たしてしまっていたのでしょう。追いかけることはできませんでした。
ワックスを担当していた方は萩原健司さんが現役時代の1992年からずっと担当されている、オーストリア人のシェルブル・ウェルナーさんです。
ですから、もうベテランとも言われる方で、実績もある優秀な方だと思います。
もちろん渡部暁斗選手がW杯6戦連続で表彰台に立った立役者のひとりです。
平昌オリンピックのノルディック複合のコースは人工雪だったようです。人工雪の場合はワックスの選択が非常に難しいと言われています。
クロスカントリースキーで知っておきたいのがワックスマンの存在です。選手が履く板の滑走面の滑りをよくするためのワックスのプロです。

引用元:http://blog.livedoor.jp/trailsportsclub/archives/1...
ワックスはパラフィンとフッ素が主成分ですが、その日の気温、湿度、雪質を観察・吟味したうえでベストなワックスを選定します。
クロスカントリーでは非常に重要な役割です。
試合後、渡部暁斗選手は「金メダルになる実力も資格もなかったのかなという感じですかね。頂上は見えているんですけどね。」というコメントを残しました。
まったくワックスのことは触れずに自分の責任と言い切りました。男らしい性格に感心しました。
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肋骨骨折して本当に競技できるの?
さらに驚きました。
なんと平昌オリンピック直前に左肋骨(ろっこつ)を骨折していたのです。全日本スキー連盟(SAJ)が2月22日に明らかにしました。
(SAJ)によると、2月2日に日本の長野県白馬村で行われたワールドカップ(W杯)白馬大会の試合の前日、公式練習の飛躍で着地に失敗し、転倒した際に骨折したというものです。

引用元:https://matome.naver.jp/odai/2151935122260806601
渡部暁斗選手は転倒の翌日に「(痛みは)気にならないぐらい」と話しており、大会本番の2月3日優勝しています。
平昌オリンピック期間中も明らかにしませんでした。平昌オリンピックでは個人ノーマルヒル、同ラージヒル、団体の全3種目に出場しました。

引用元:http://www.yomiuri.co.jp/olympic/2018/ski/20180215...
その出場全3種目が終わったところで発表したのでした。
ところで渡部暁斗選手はシーズン開幕前の昨年11月にも左の肋軟骨を折っていました。実に我慢強い選手です。
実際、左肋骨を骨折していてノルディック複合に出場するなんて普通では考えられないことですよね。
素人目に見てもジャンプでもクロスカントリーでも肋骨を骨折していたら呼吸の際に痛みが走って、全力を入れられないのが普通ですよね。
まして、クロスカントリーでは持久力が大切なポイントとなりますから、肋骨を骨折していて出場するなんて、本当に渡部暁斗選手は立派です。
金メダルは獲得できませんでしたが、それ以上のスポーツマン魂を感じます。立派です。
まとめ
- ラージヒル5位の成績に終わったのはワックスミスがあったのではないかと思われます。
- しかし、ワックスマンは1992年から今日までずっとオーストリア人のシェルブル・ウェルナーさんです。
- 平昌オリンピックは人工雪ですから、ワックスを選ぶのは非常に難しいです。
- ワックスミスとは当の本人・渡部暁斗選手は一言も言っていません。
- 平昌オリンピック前のW杯で右肋骨を骨折していたにも関わらず、渡部暁斗選手は全3種目に出場しました。その後に骨折していたことを明らかにしました。
- 骨折を言い訳にしたくなかったようです。
金メダルは取れませんでしたが、それ以上のスポーツマン魂を見せてくれました。今後もますます、頑張っていただき、可能なら4年後の北京オリンピックで金メダルを目指してほしいものです。
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